5年ぶりの君は。

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 指が、私の手首を強く握って引き寄せる。  ついていっちゃダメ  逃げなきゃいけない  だって、真相を知らない  はぐらかされたままなんだ  多分彼は、答えてなんかくれない  きっとこれは一時の気の迷い  ――流されちゃ、ダメなんだ  そう本能でわかっているのに  どうしようもなく寂しい私は  その熱さに身を任せたくて  溶けてしまいたくて     「……いいよ」  超えちゃいけない線を越えてしまう――
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