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指が、私の手首を強く握って引き寄せる。
ついていっちゃダメ
逃げなきゃいけない
だって、真相を知らない
はぐらかされたままなんだ
多分彼は、答えてなんかくれない
きっとこれは一時の気の迷い
――流されちゃ、ダメなんだ
そう本能でわかっているのに
どうしようもなく寂しい私は
その熱さに身を任せたくて
溶けてしまいたくて
ずっと胸に秘めていた恋心を叶えたくて
「……いいよ」
超えちゃいけない線を越えてしまう――
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