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それからの私の大学生活は一変した。
これまで以上に霊的な存在に敏感になり、妙な物音を聞く機会が増えた。
坂本ともある意味で仲良くなり、そのせいで様々な恐怖体験をすることになる。
「っていうか、わざわざ心霊スポットなんて行かなくても、日常生活で幽霊なんてうようよしてるんだよ。」
いつの日だか彼が言った。
大学構内で彼を遠目に見たことがあるのだが、誰もいないところで道を開けるような動作を見せたりしていたので、純粋に怖かった。
「ちなみに、霊感って移るからな?霊感強い人間のそばにいたら。」
その言葉を聞いたのは彼との交流もそこそこ深まってからだった。
初耳のいらない知識を遅ればせながら得た私は、とりあえず彼を殴った。
この作品はここまでとなる。
作中にも書いたが、坂本が述べたように『信じるか信じないかは自由』である。私だって、この出来事が他人から聞いた話ならば絶対に信じないと思う。
しかし、霊的なことで様々な不自由を強いられる人は多い。
信じる信じないは確かに自由であるが、それを排他することだけは是非遠慮していただきたい。
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