〈2〉空の兄弟、成立

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「ちょっと待った、洪ちゃん!」  清作が洪助の右腕を抱えて後方に引っぱった。 「鷹がこっち見てる。大事にならない内に帰ろうよ」 「……」  狼の様な殺気のこもった目で鷹を見つめる洪助を、清作と易はあたふたとなだめながら畑から離れた。  でも、その二人も洪助と同じ様に鷹を見ていた。  悟がそれに気付いて二人と目を合わすと、清作も易もふいっとそっぽを向いて、洪助を引っぱって歩き去った。  悟は3人の様子のおかしさに首をかしげながら鷹の方を向いて、 「どや、俺かて役に立つやろ?」 と言って、えへんと胸を張ってみせた。 「ああ、そうだな」  鷹は感謝を込めて言ったつもりだったけど、やっぱりそんな風には聞こえなくて、 「ふん、愛想のないやっちゃ」  悟の機嫌を損ねた。 …
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