〈2〉空の兄弟、成立

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 7、8歳くらいの3人の男の子だった。  学生帽を深く被った、負けん気の強そうな子。先程清作と呼ばれた、髪がちょっぴり長い(悟ほどじゃない)つぶらな目の子。北の方の訛りのある、大仏の様な顔の子。 「ちっ、あいつらか」  鷹は即座にしかめっ面をした。  元々年下の子供の扱いが苦手な鷹の子供嫌いに拍車をかけたのは、まさにこの子達だったのだ。  このままそこにいられては仕事にならない。追っ払いに行くのも嫌だが仕方ない。  鷹が(くわ)を持ったままその子たちの所へ行こうとしたら、 「おいこら、あいつの畑に何すんねん」  今までどこにいたのか、悟がひょっこり現れて、地上に出ているさつまいもの蔓に手をかけた3人の後ろから凄んだ。  それに驚いて3人同時に振り向いたら、奇妙な言葉を発する豊かな黒髪のこの少年が目に入って、更に驚いた。  恐怖に近い視線を注がれて、 「何ジロジロ見とんねん。はよここから去れや」  苛々しながら、持ち前の鋭い目で3人を睨む悟。 「な、なんだこいつ。変な言葉しゃべってるなあ」 「んだんだ」 「ヤッちゃん人のこと言えないだろ…」  大阪ことばの悟の出現に、3人は戸惑っている様だ。  面白そうだから 鷹はしばらく様子を見ることにした。 …
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