〈2〉空の兄弟、成立

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(こう)ちゃん、どうするだ」  東北訛りのヤッちゃんこと(やす)が、学生帽の洪助(こうすけ)に言った。 「やいお前、俺たちより年下だろ、偉そうだぞ、生意気な奴」  洪助はそう言いながら軽く小突いて悟をよろめかせた。  すると悟、かっと頭に血がのぼって拳骨で洪助の二の腕を加減なく叩いた。 「いってえ!!」  細い腕に似合わず強い力だったので、油断していた洪助、余計に痛みが増す。 「こっ、洪ちゃん、大丈夫?」  清作と易、痛みに悶える洪助を慌てて支えた。 「ふん、弱いくせに年上面するからや、ボケ!」  べーっと舌を向けて更に挑発する悟。  この一連の行動に鷹も驚いた。たった5歳の子供がここまでやるものか。 「この野郎…調子に乗るんじゃねえぞ!」  わなわなと震えて洪助が悟の胸ぐらをぐいと突き上げた。  悟はそんな洪助を冷めた目で眺める。 …
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