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うたい手の体が大きくなるにつれて、
うたごえも深く豊かで大きなものになり、
島の沖を行きかう船にも響き渡るようになっていった。
さらには、周りの島々にうわさとともにたどりつき、
とうとう大きな島の国の王宮にまで
評判がおよぶことになった。
国王はうたい手を呼びよせようとしたが、
とてつもない体重に達していた彼は、
もう島を出ることができなくなっていた。
王の使いは足しげく通い、
しまいにおおぜいの兵隊をつれてきて、
彼を輿にのせ、船につみこんでしまった。
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