みにくいアヒルの子

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むかしむかし、あるところに、 アヒルのおかあさんと、そのこどもたちがくらしていました。 そのなかに、ひとりだけ前髪がながいアヒルの子がいました。 そのアヒルの子は、ほかの子どもたちとくらべると前髪がながいことでイジメられていました。 ある日、そのアヒルの子は、おかあさんアヒルにいいました。 「どうしてボクは『みにくく』うまれたの?」 「なにをいうんだい。おまえは『みにくく』なんかないよ」 「だって、ボク、ほかの子とくらべると前髪が長いんだ」 「そんなの、なんてことないわよ」 「なんてことあるよ!  だって、  前髪が長いと、  前髪が長いと……、  前が『見にくい』んだよー!」 おかあさんアヒルはやさしく前髪を切ってあげましたとさ。 ―めでたし、めでたしー
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