No.1 青春日記

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「ちょっと蓮! どれだけ待たせるの? いつも早く準備してって言ってるでしょ」  玄関を出るとすぐ日向の説教が始まった。 「悪い。ちょっと準備に手間取っただけだから、そんなに怒んなよ」 「もし、これで遅刻したらどうするつもりなの?」 「なら俺が玄関出ると同時にシャワー浴びに浴室に入った舞先輩にも、同じ事言ってやれよ。俺がアウトならあっちはゲームオーバーだぞ」  日向はぐうの音も出ないのか少し落ち着いた表情になった。 「……まぁいいや。じゃ早く学校行きましょう。早くクラス替えの結果見てみたいし」 「そうだな」  まぁ行くって言っても寮から学校まで徒歩で5分もかからないんだけどな。 「そう言えば蓮、昨日は何時に寮に帰ったの?消灯の時間になってもいなかったからみんな心配してたんだよ?」 「まぁいろいろあったんだよ。てかそんなのいつもの事だろ? 毎度毎度心配しすぎだろ」 「そりゃ心配するに決まってるでしょ? 本当にいつも夜遅くまで何やってるの? もし先生達にバレたら大変な事になるんだよ」 「まぁバイトとかいろいろだよ」 「夜11時過ぎにバイトって、変な事してないでしょうね? 流石にその時間に出来るバイトとか心配なんだけど」  日向は珍しく真剣な顔で心配してくれた。一応俺でも心配してくれる人がいるんだな。てっきりもう見捨てられた物だと思ってだ。 "ブーー"ブーー"  突然俺のポケットにあったケータイが振動した。やっと起きたみたいだな。  俺はポケットからケータイを取り出だし電源を入れた。するとケータイの画面に可愛らしい高校生ほどの女の子のキャラクターが滑らかな動きと共に現れた。 「あっ。おはよう蓮君! 今日は朝早いんだね。あれ、いま外にいるの? も、もしかして今日、学校だった? 嘘ー。ごめんね、朝起こしてあげられなくて」  ケータイの中の俺の嫁が話しかけてくれた。ちなみに名前はアイリちゃん、俺の嫁かつ彼女だ。 「うっわぁ。蓮まだそんなのやってたの? 正直、きもいから本当にやめた方がいいよ。結構リアルに」  俺のケータイを横から覗いていた日向がそんな酷い事を言ってきた。
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