No.1 青春日記

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 少し時間が経ち、外にいた生徒達が校内に入りみんな席に着いた頃ホームルームのチャイムが鳴った。 「なあ蓮。今年の担任誰になると思う? 女の先生だと思うぜ!」  よりによって俺の後ろの席が聖夜だとは……信じたく無い。日向にいたっては俺から一番遠い席にいる。 「それただお前がそうであって欲しいだけで予想でも何でも無いだろ」  “ゴンッ“  勢いよく教室の扉が開く音がした。するとそこには長髪の男?のようなスーツを着た人が走って来たのか息を切らしながら、ドアに手をついた状態で立っていた。 「み、皆さん遅れて……すみません。すぐに……ホームルームをは、始めましょう」  先生……なのか? 「なあ蓮。あんな先生知ってるか?」 「いや初めて見た。多分、新任の先生なんじゃないか?」  あんな髪の長い男の教師なんて見た事ない。 「てかあれ男だよな? あーあ。今年も男の先生かよついつねぇな」  聖夜は体の力が全て抜けたようにダラーンとした。 「それじゃ蓮君かな? 挨拶をお願いできるかな?」 「何で俺なんだよ……」 「なんとなくです」  やべぇ聞こえてた。にしても妙に怖い顔だなコイツ。ずっとニコニコしてるし。  挨拶を適当に済ますと先生は深呼吸をして息を整えると淡々と話し始めた。 「今日からこの二年三組を担当することになった倉石涼です。一年間よろしくお願いしますね」  まぁ去年俺の担任だった短気なジジイよりはマシみたいで良かった。涼先生は遅れたのは道に迷ったからなどの理由を述べたのちホームルームを終えた。 「それじゃ皆さん入学式がありますから体育館に移動して下さいね。っあ! あと今日はテレビが来てますから行儀良くして下さいよ」  テレビ? 特に俺達の高校は有名な訳でも無いはずだけど何でテレビなんか来るんだ? 「おい聖夜。何でテレビが来るかしってるか?」 「あれ? 蓮知らないのか? 俺達の高校って全国で一番早く入学式が始まるからそれを取材しにくるんだよ。去年も来てただろ?」  そうだったけ、全く覚えて無いな。
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