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世界を救うのは難しい。
それは、別にこの広い世界のことじゃない。地球上に広がる一つの世界のことじゃない。
僕が存在している、僕が認識し得る世界のことだ。僕の生活範囲に存在する、このちっぽけな世界のことだ。僕は僕を救うのに忙しい。
この世界の中は生きにくくて生きにくくて、僕は毎日もがいてる。
助けて。誰か。救ってよ。
そんな声は、届くはずもない。だってみんな、自分の世界を救うのに忙しい。他人の世界にかまけてなんていられない。
だから僕は、——いや、僕“も”少なくとも自分の世界だけは救うんだ。
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