目の前には(角弥の視点)

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目の前には(角弥の視点)

 落ちた瞬間があった。  首に当たる縄の感触まで意識はあった。  目を瞑ると何故か俺の足に無かった地面の感覚を感じて目を開ける。嘘だろう?辛気臭い部屋の中じゃねぇのよ、俺の目の前に広がる光景は開けた暗い星空と壊れきってる遺跡?みてぇな所だ。理解が追いつかん。  両手首には手錠、首にあった縄は感じねぇ。  恐る恐る視線が斜め下に下げれば、これまた……一人……二人……三人辺りの人数のヘンテコな服装をした何かがいた。今時、昔にやったファンタジーゲームみたいな布のローブを被ってる人と思われる何かがこっちを見てるんだよ。  俺の真下には、ヘンテコな図形が書かれてるしよ。理解が追いつけねぇのに情報が沢山で頭が働かねぇ。  そんな俺を置いてくように、ヘンテコなローブを被ってる奴らは大歓喜してる。その言葉を俺は理解出来ない、何の言葉だ?おいおい、なんの言葉かも分からない一人が近づいてきて俺に膝まづく。  しかも、両手を合わせて祈りのポーズだ。訳が分からなくて、たじろぐみてぇに一歩後ろに下がる。俺の右側の口端が引くつくのが分かっちまう位に引いた。  が、何やら俺の身体の内側が物凄く熱い。  「がっはっ……ぐぐぐっ……ぅぅぅ……」  呻き声が漏れる程の熱が全身の血管に伝わって、俺はその場に崩れ落ちる形で両膝を着き、それでもその熱が治まらない。訳の分からない言葉が、俺の耳に徐々に大きく聞こえてきて、汗も溢れて、目頭までも熱くなる、ここまでが俺のある記憶だ。  次に目を覚ました時は、これまた冗談みてぇな場所になる。
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