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本棚に追加 ガンと鈍い音を立てたスマホを拾い上げると、当たり所が悪かったらしく、画面にヒビが入っていた。
しかも、ボタンを押しても反応がない。
「まじか……。こんな時に壊れるなんて。一瞬でも良いから動いてよ!」
画面が割れても使っている人を見たことがある紅葉は、何度もスマホをいじる。
だが願いとは裏腹に、スマホは真っ暗で沈黙したまま。
「嘘、嘘、嘘だ――! お願い、動いてよ」
スマホの中に全ての情報が詰まっている。
両親の電話番号も、友達の連絡先も、祖父母の番号も全部が分からなくなった。
「友達は、明日、学校で会うからまだ良いとして……。パパとママへの連絡どうしよう」
紅葉は茫然と、その場に座り込む。
室内の温度とは違い床は冷たかった。
紅葉の血の気の引いた顔と同じように。
「と、とりあえず、お金と連絡先ないか調べよう」
紅葉は動揺しながらも立ち上がった。
まず一階のリビングやダイニングのチェストや小物入れ。それに棚という棚を調べた。だが何も見つからず、焦りながら二階へ行く。
真っ先に向かったのは両親の部屋。
二人共、仲が悪いため部屋は別々だ。

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