1 ながらスマホに気を付けて

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 ガンと鈍い音を立てたスマホを拾い上げると、当たり所が悪かったらしく、画面にヒビが入っていた。  しかも、ボタンを押しても反応がない。 「まじか……。こんな時に壊れるなんて。一瞬でも良いから動いてよ!」  画面が割れても使っている人を見たことがある紅葉は、何度もスマホをいじる。  だが願いとは裏腹に、スマホは真っ暗で沈黙したまま。 「嘘、嘘、嘘だ――! お願い、動いてよ」  スマホの中に全ての情報が詰まっている。  両親の電話番号も、友達の連絡先も、祖父母の番号も全部が分からなくなった。 「友達は、明日、学校で会うからまだ良いとして……。パパとママへの連絡どうしよう」  紅葉は茫然と、その場に座り込む。  室内の温度とは違い床は冷たかった。  紅葉の血の気の引いた顔と同じように。 「と、とりあえず、お金と連絡先ないか調べよう」  紅葉は動揺しながらも立ち上がった。  まず一階のリビングやダイニングのチェストや小物入れ。それに棚という棚を調べた。だが何も見つからず、焦りながら二階へ行く。  真っ先に向かったのは両親の部屋。  二人共、仲が悪いため部屋は別々だ。

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