会敵

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会敵

「あ、あの。私たちを連れてきた理由ってやっぱその、体なんですか?」  1人の女が許可してもねえのに話しかけてきた 「んあ、当たり前だろ他に何があんだよ。  後俺が許可してねえのに喋んな。次やったら痛い目に合うと思っとけ。」  そいつは無言で頷いた。かろうじて脳みそは入ってるみてえだな。 「ここら辺だな。血濡れた化け物の匂いがしやがる」  村からすぐの洞窟、その中から気配がした。 「おいっテメェら。離れんなよ」  女を近くに呼び寄せる。 「出てこいよ化け物!殺しにきてやったぜ! 返事しろよ!おねんね中かぁ?!」  叫ぶと洞窟の奥からデケェのが出てきた。 「はっ、噂よりでけえじゃねぇの。おもしれぇ。かかってこい。」  目の前には化け物の拳が、飛んで来ていた。  両手で受け止めるが、体ごと吹っ飛ばされる 「やるじゃねえの。おいっ女ども動くなよ。」  言うまでもなく女どもは腰を抜かしへたり込んでいた。 「よん、いや全員行っとくか」  俺は手近な女の髪を掴んで引っ張る 「いっ、何するの?」 「るせぇ、黙ってろ」  俺は女の髪を掴んだまま化け物に向かって思いっきり投げつける。  ドンっ  投げた女は化け物の少し左に着弾した。 「ちっ、投げる時に髪抜けやがったな。使えねえ。あと4発か。」  化け物は女が玉になるのがわかったのか手近な女を潰しに行った。 「させっかよ。それは俺の女だ」  すかさず駆け出し女の頭を掴む。化け物の腹に蹴りを入れつつ、その反動で女ごと距離を取る。さっきの失敗から学んでしっかり頭を握る 「痛い!止めて!離して!」 「動くんじゃっ、ねぇ」  投げた女は見事に化け物に命中。 「っしゃあ!ピンゴぉ。」  化け物が怯んでいるうちに次を投げつける準備に入る。 「今度は2人まとめて食らっとけ」  俺は2人の女を同時に掴んで化け物目掛けて投げつける。  ドゴォオン 「ひゅー すげー威力だな。まだ生きてっかー?」  黒煙が立ち込めて様子の分からない化け物の方へ俺は歩み寄った。 「息はあるけど、もう動けなさそうだ、なっ」  化け物の顔面を踏み抜くとパァンと頭が弾けた。 「一発余ったな。邪魔だし返してくるか。」  女がなんかアゥアゥ言ってやがる。  コイツ、放心してやがるな。 「おいっ、俺様はもう行くぞ。付いてこねえなら置いてくかんな。」 「い、いえ行きます置いてかないでください」 「ほら、とっとと行くぞ。」  俺は残った女を村まで送ることにした。  別に優しさとかじゃねえ。生き残りがいるなら、化け物自体を運ぶよりもそいつを連れていくほうが楽だから、ただそれだけだ。 「あっあの貴方は何者なんですか?」  一度警告したにも関わらず勝手に喋りやがった。  しかし先程4発もブッパして気分が良いので特別に答えてやろう。 「勇者だよ。っても真っ当じゃない方のな。 たまたま砲術師のスキルをカンストした状態で習得したもんでな。魔王退治の為に旅をしてんだよ。結構金貰えるしな。」 「な、なんで人を飛ばすんですか?それに砲術師なのに大砲持ってませんし。」  さっきまで放心してた癖に。この女意外と気が太いな。 「楽しいからな。ただの鉄球投げるよりも何十倍も。やっぱ玉ごとに違いが無えとつまんねぇんだよな。 大砲を持ってないのは砲術者のスキルをマスターしたからなんでも大砲がわりにできるってだけだ。いちいち運ぶの面倒だしな」  
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