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「ちょ、地面揺らしながら追ってくんの、マジでやめてほしいんだけど!?!?」
「あいつらはやたらでかいからな…!
それにしても俺の剣はどこに行ったのか…」
「今そんなん気にしてる場合じゃないでしょ!?いいから早く逃げるよ!!!!」
あれから俺と王子はただひたすらに逃げ続けていた。
しばらく逃げたら撒くかと思ったが虫は何かとしぶとくて未だに追ってきている。
俺としてもそろそろ体力が限界だ。
ああ、こんなことになるくらいなら家で引きこもってゲームなんかせずに外で運動しておけばよかった。今更後悔してももう遅いけど。
王子も体力がきつくなってきたらしく、きつそうに息をしている。
もうそろそろ頃合いなのか。
2人とも捕まって喰われるのか……
そう思っていたら目の前に何か光るものを見つけた。俺は不思議に思って立ち止まった。
「おい、男…そんな所にろくなもん落ちてるわけ……はっ!?」
王子はその光るものを見て動きをとめた。
俺は不思議に思ってそれを見に行こうとすると王子は「触るな!」と叫んだ。
俺は急に叫んだことに驚き、動きをとめた。
王子はゆっくりとそれに近付き、それを手に取った。
「あ、それ王子の剣じゃん。」
「そうだな…もう見つからないかと思っていた。」
王子はほっとしたようにその剣を撫でた。
俺はよかったな、と思いながら王子のことを見た。
いや、正確には王子の後ろにいる虫に目を向けたんだけど。
「ちょ、王子……後ろ……」
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