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「あのなあ…言わせんなよ。
俺が受け止めてやるから降りてこいよって言ってんだよ。馬鹿なのか?」
王子は呆れたようにそう言ってから、お前よく鈍感だって言われるだろとなかなか失礼なことを付け足した。
……って、え?
ちょっと待って何この少女漫画みたいな展開。俺男だよ?
「………え?
マジで言ってんの?俺一応男だよ?」
「お前は男に似合わず軽いからいいだろ。
そこら辺のご令嬢より軽いと思うぞ。
大丈夫なのか?」
息を吐くように酷いことを言われた。
確かに俺は王子と比べて線が細いかもしれないけど…背もちびだし…くっ、こいつ見た目だけはいいから腹立つな。
俺がいらついているのを見て王子はにやにやした顔で見てくる。そして「早く降りてこいよ〜」とからかうように言った。
「……うっ、べ、別に大丈夫だし…」
「嘘つけ。降りれないんだろ。」
「ぐぬっ……………」
くそ、当たり前のように見破られてやがる。
降りれないのは本当だけどこのまま王子に受け止めてもらったら負けな気がして俺は「いいよ、自分で降りられるし。」と嘘をついて下を見た。
飛び降りたら痛そうだけど…こいつに受け止められるのは俺の男としてのプライドが許さない。
俺は覚悟を決して飛び降りる準備をした。
そしてその時、俺の世界が反転した。
「……えっ、」
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