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目の前から声が聞こえた。
助けが来たのかと思い、俺は目の前を見た。
そこには絵本に出てくる王子様、その言葉がぴったり似合うような王子様が立っていた。
俺はああ、女の子からモテそうだなと思いながらその目の前にいる人を見ていた。
その目の前の人は大丈夫か、と俺に聞いてから俺を軽々と持ち上げた。
どこにそんな筋肉があるのだろうか。
「何するんだ虫けらが。
お嬢さんが困っているだろうが。」
絵本の王子様は虫けらに向かって剣を向けた。
お嬢さん、という呼び方に違和感を感じながらも俺は助けに来てくれた絵本の王子様を見て純粋にかっこいいなと思っていた。
俺は、王子様がこの虫を倒してくれるんだろうなと思いながら王子様の腕の中に大人しく抱えられていた。
しかし、王子様が向けたその剣は虫に何事も無かったかのように遠くに投げ飛ばされてしまった。
「………え?」
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