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そう思いつつ、まゆみとの浮気契約の期限が迫っていく中で、その日はホテルのオシャレなバーで二人で飲んでいると、まゆみの方から部屋を取ってあると誘われ、良一は酔っていたこともあり、なんの疑問も持たずに、まゆみの後に続いた。
部屋に入ってからは、まゆみは真っ先にバスルームに入った。程なくして聞こえてくるシャワーの音に、良一はまゆみの裸を想像して、股間を膨らませた。
何を考えているのか。
酔っていた良一だったが、部屋の冷蔵庫に入っていたペットボトルのミネラルウォーターを一気に煽って、正気に戻った。
確かにまゆみは浮気相手だが、本当の浮気相手ではない。彼女は仕事だから、そう演じているだけだ。自分に向けられる好意も全てそうなんだと、必死になって自分に言い聞かせても、股間の膨らみは収まらなかった。
しばらく、良一が悶々としていると、バスルームの扉が開き、まゆみに声をかけられた。
「どうしたんですか?」
振り返った先にはまゆみが白いバスローブを着て、タオルで長い髪を拭いていた。首元から滴る水滴が胸元に落ちるのが見えて、良一は唾を飲んだ。まゆみに目が釘付けになっているのをごまかすように、目を少し逸らして訊ねた。
「これから、どうするんだ?」
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