管理人

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 ─────  ───  ── 「はぁ~疲れたっと……」  この日も遅くに終わり終電で最寄り駅へと戻ってきた。こんなに疲れてるのに自転車を漕がなくてはならないと思うと憂鬱だ。 「こんばんは~」  いつものように駐輪場の管理人さんに挨拶をする。 「こ、こんばんは……」  何か作業をしていたのか私に背を向けていた管理人さんは肩をびくりとすくませてゆっくりと振り返った。 「遅くまでご苦労様です」 「あ、はい……」  珍しくお爺さんじゃない管理人さんだった。 「あ、管理人さん、今日月末なんで来月の駐輪代払ってもいいですか?」 「え、ああ──はい」  管理人さんは受け付け窓のあるプレハブ小屋へと入っていった。新人アルバイトなのだろうか? 若干もたついた手つきでキョロキョロとプレハブ小屋の中を見渡している。 「すいません、一万円からでもいいですか?」 「ええ、構いませんよ。あ……」 「あ、やっぱりお釣りないですよね? ごめんなさい、コンビニで崩してこようかな」 「いえ、大丈夫です。金庫にあります」 「じゃあ、これ身分証です」 「……お預かりします」  身分証を受け取った管理人さんはその場でしゃがんでしまい私の視界から消えた。カチャカチャと音がするので金庫を開けているのかもしれない。 「──お待たせしました」 「ありがとうございます」  若干の間があったような気もするが疲れていた私は管理人さんにお礼を言い自転車を取りに向かった。 「それじゃあ、管理人さん、また明日」 「はい、また」  また明日なんて言ってしまったが明日は休みだった事を自転車を漕ぎながら思い出す。  その日の夜、私は一週間の疲れから泥のように眠った。
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