夏色のママ

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両親は高校からの同級生で母が短大を出て直ぐに私を身籠った。
周りからは私を諦めるように強く説得されたようだったが、母は聞き入れることなく私をこの世に誕生させてくれた。

両親は家を出て3人で暮らし始めた。
父は大学生だったがアルバイトと学業と子育てを両立して、ささやかだが穏やかな環境で私を育ててくれた。

今も残る私達の小さなあの廃屋。
この海辺から歩いて20分程の所。

母は家から歩いて10分の所にあるスーパーマーケットでアルバイトをしながら私を育てた。
保育園に行く頃になると建設会社の事務員として働き始めた。

そして私が小学生になる前に交通事故で呆気無く亡くなった。

それから引越しして父は私を一度もここに連れて来てはくれなかった。