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終話
ここに来た理由...
父の1周忌を済ませたから母にお話をしに来た。
ちゃんと分かってると思ったけど、どうしてもここに来て話したかった。
3ヶ月間 病気で苦しんだ父。
痩せ細って行く足や腕を擦る事位しか出来なかった私。
亡くなった後、枕の下に母の写真を見つけた事。
分かっていた。
あなたが側にいてくれた事。
ママ~ママ~
遠くから私を呼ぶ声が近づいて来た。
あなたの孫娘。
ちょうど5歳になった。
あの時の私と似てるかな。
「パパがね、もう暗いからママ呼んで来てって。
でもね、大事なお話してるよってわたしがね、言ったけどね
パパがね。もう終わる頃だよって。
もうお話終わったの?
わたしね、まだだよって...」
私とおしゃべりな娘は手を繋いで歩きながら、ひと夏の思い出をこの砂浜に散りばめた。
おわり
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