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もう、何処をどうすれば俺が感じるのか、俺以上にルースの方が俺の身体を知り尽くす程に、中も外も身体中暴かれてしまった。
こんなことってあり得るのだろうか。
それも心底嬉しそうな顔をして触ってくるから、怒るに怒れない。
そう、俺は四六時中ルースに触れられることを望んでいるのだ。
変だよ。俺、メッチャ変。一体どうしちゃったんだろう。
ルースは、時折眉をひそめる俺の顔を見つめては
「霙はどうしてそんな顔をするのか」
と尋ねてくる。
上手く伝えられなくて、「あー」とか「ううっ」とか言いながら不機嫌な顔を緩ませては、ルースの胸に頬を寄せる。
それがまたかわいくてならん、とルースの庇護欲と欲情に油を注いでしまっているらしい。そんなつもりは毛頭ないんだけれど。
そこからまたイチャイチャに突入してしまう。
2人っきり、という、このシチュエーションがイチャつきに拍車をかけているのかもしれない。
煽ったり煽られたり。
そんな甘い甘い時間を過ごした俺達は、ガルーダとの約束の日に、名残惜しい気持ちを抱えて蜜月の間から出てきたのだった。
俺の腰を抱いて離れないドヤ顔のルースと、頬を染めて少し困った顔をした俺を出迎えたガルーダは、肩を震わせて笑いを堪えていた。
何をどう取り繕っても、ガルーダには全てバレているのだ。
「おめでとうございます。
これで全ての行事が恙なく執り行われました。
霙様は名実共にルース様のお妃様となられたのですよ。
どうぞお健やかに、お幸せに…」
「ガルーダ、ありがとう。
俺、何をしたら良いのか分からないけど、この龍の国のために俺ができることは何でもやるから。
だから、これからも力を貸してほしい。
ルウルウも。
どうかよろしくお願いします。」
「霙様、そんな、頭をお上げ下さい!」
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