再び、イスナにて

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ルースは?ルースはどうなったんだ!? あれからどうなったんだ!? どのくらいたったのだろう。 何だか身体が熱っぽい。怠い。動ける…か? いや、俺のことなんかどうでもいい、ルースは!?ルースは何処!? 心配と焦燥とでごちゃ混ぜになった意識が戻ってきた。 ふと優しく髪を撫でられる感触に、霙はゆっくりと重たい目を開けた。 「霙っ!」 霙の手を握り、今にも泣きそうな顔のルースが名前を呼んだ。 「…ルース!…良かった…ルースが戻ってきた…」 掠れる声でそう伝えると、ルースは横たわる霙をそっと抱きしめた。 「霙、危険な目に遭わせてすまない。 俺としたことが、感情のコントロールが効かなかった。 お前のお陰で元に戻れたんだ。お前が止めてくれなかったら、俺は今頃……」 霙は重い腕をやっとのことで持ち上げ、ルースの頭を撫でた。 「ルース、無事で良かった。俺のところに戻ってきてくれてありがとう。」 「霙……」 自分が辛いこんな時にでさえ、相手を思いやる霙をルースは思いを込めて抱きしめた。 ルースの身体、もう熱くない。 良かった…… 霙の目から一筋、涙が零れ落ちた。 その涙に気付いたルースは、指でそっと拭い取り、キスを落とした。 「…まだ熱が引かないな……無理もない、俺の怒りの熱をまともに受け止めて体内に取り込んだんだ。 おまけに、自分のエネルギーを俺に分け与えてくれたから…… 数日ゆっくり休めば回復すると、ドリナ先生が言っていたから心配はないと思う。 霙、俺達は暫く一緒に養生せねばならんな。」 最後の方は笑いを含んだ声音で告げると、霙の隣に潜り込んできた。 「ルっ、ルース!?」 「一緒に養生せねばと言っただろう?  ほら、暴れるな。もっとこっちに来い。」 問答無用で抱きすくめられ、ルースの胸にすっぽりと収まった。
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