水玉模様

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 遂に私にも彼氏が出来た。 「なぁ、夏休みさ……海、行かね?」  キター!  これが夢にまで見たアオハル!  中学生の頃、バター丸食いにハマり一気にデブまっしぐらとなってしまったが高校入学前に何とかダイエットに成功し高二の夏を迎える前に今の彼氏から告白された。  そんな彼から夏休みのお誘いキター! 「うん、いいよ……あ、でも水着持ってないや」 「あ、俺もスクール水着しか持ってない……」  互いに何もかも初めて同士。私も恥ずかしながらスクール水着しか持っていない。  という訳で、学校帰りに立ち寄れる大型のショッピングモールに二人で水着を買いに来た。これもデートと言えばデート。  色とりどりの水着を互いの制服に重ね合いあーでもない、こーでもないと何でもない会話を楽しんだ。 「崇くん、これとか似合いそう」 「派手すぎん?」 「そーかな? 焼けた肌に似合うと思うなぁ」 「そ、そう? じゃあ望美の水着は俺が選ぶよ」  私が崇くんに選んだのはターコイズブルーのグラデーションが爽やかなサーフパンツタイプの水着だ。サッカー部で焼けた黒い肌が映えるに違いない。 「あ、これなんてどうかな?」  崇くんが手に持って戻ってきたのは水玉模様の水着だった。  フリルがたっぷりの女の子らしいビキニの水着。こういうのが好きなのかな? まだ付き合いたてで彼の好みを理解しきれていない。 「モノクロだし派手すぎなくて可愛いね」 「絶対似合うと思う」 「えへへ、じゃあこれにする」  これで二人とも夏の準備は完璧だ。  どんな思い出を作れるだろうか?  キ、キスくらいしちゃってもいいよね?  そんな淡い思いを馳せた。  高校生の脳内妄想は底が知れないのだ。
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