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共に過ごすのが当たり前だった時間を取り戻そうとするかのように、その笑顔が見たい一心で、雲雀の元へ通う。
鳶になろうと、夜鷹になろうと。ある時は高い所に吊り下げられた鳥籠を狙い、飛び掛かろうと腰を振る猫のように。あるいは大きな屋敷の裏口から忍び込み、暗がりを走る鼠のようにしながら。
答えなどいらない、同じ気持ちになってくれればいい、しかしそれが一番難しいだろうと嘆く雲雀と、同じ気持ちにはなれないが、求められるままに応じる日出人。
相手が同性である自分と同じ気持ちになる事はないと知ってから、しつこいほど一方的に自身の気持ちを伝えるばかりの雲雀は気付く機会も失ってしまった。
本人にも自覚のないうちに、とうの昔から日出人を繋ぎ止め、縛り付け、閉じ込めている。雲雀の存在自体が、日出人にとっての籠であった。
「ヒデもいつか、好きな人ができたらちゃんと教えてね。写真も見せて。」
身勝手なまでに大胆に想いを伝えこそすれ、自分と一緒に居る事は、日出人の重荷になってしまう。そうして縛り付けてしまう事は、自身の置かれた境遇と同じ。
ベッドに臥して、月が上るのを待つ事しかできない籠の鳥の気持ちは、身をもって理解している筈なのに。
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