救世主はサイバーポリス〜私を助けて下さい！！〜

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　サイバー攻撃を受けたサーバーには、社内にウィルスをばらまくプログラムが仕込まれており、取り除くまでには10日間かかってしまった。

　感染したマルウェアはデータを勝手に暗号化して、日輝の社内ネットワークにあるコンピューターだけで動く特殊なもので、従来のランサムウェアと違って、通常はセキュリティーが厳しいため侵入するのが難しい社内ネットワークを管理する中枢のサーバーをピンポイントで狙い、セキュリティーの設定を変更することで外部との通信を遮断して一気にデータを暗号化してしまうものだった。
　近年増えている産業制御システムを狙ったサイバー攻撃を行う特定の組織を狙った“標的型”のマルウェアで、金銭を要求する脅迫文も中枢のサーバーだけにしか表示されてなく、管理者が焦って応じてしまうようなマルウェアだ。

「堂本さん、では、サイバー犯罪捜査官員は撤退するので、後はよろしくお願いします」

　お世話になっていた元職場の元上司に声をかける。警察が管轄する業務は終了し、後は、会社とネットワークのセキュリティーを任されてるマイクロスターが復旧作業と今後の対応を協議していく。

「おつかれさん。後は俺達の仕事だから！！」

　マイクロスターのサイバー救急隊が、社内にあるパソコン1台1台検査しながら、コンピュータウィルス感染防止のセキュリティ対策を施し、心臓部のハードディスクのデータの回収する絶望的なほどに壊されていて再現不能なようだった。