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「土屋、サイバー犯罪捜査の仕事は慣れたか?」
毎年中高一貫校から大学卒業まで一緒だったメンツと盆休みに地元の居酒屋で集まって近況報告の兼ねての飲み会をしているが、今年は日輝自動車のサイバー攻撃事件のせいで参加できなかった。
「サイバー攻撃の対応と産業スパイの摘発……キツイな。かなりこき使われて、疲労困憊」
警視庁サイバー犯罪対策課 第二サイバー犯罪捜査 捜査第三係で、高度な情報技術利用犯罪取締りを行ってる。
サイバー犯罪捜査官警部補という立場からハイテク犯罪テクニカルオフィサーとして、重大ハイテク犯罪、サイバーテロ等の緊急時の招集要員となり、全国各地の管轄の警察署に直ちに向かい、捜査協力を行わないといけない。
「やっぱり、警視庁からきたキャリア組っていう目で見られるのか?」
「見られねぇよ」
管轄の警察署で、署内にハイテク犯罪対策推進本部が設置され、本部長
警察署長がなるが、ハイテク犯罪テクニカルオフィサーの指示で捜査を行う。
生活安全担当課にサイバー犯罪対策室があり、専門的な知識がある刑事が常在している。
だが、重大ハイテク犯罪、サイバーテロ等に関しては、歯が立たず手出しができない。
だから、所轄の刑事からそういう目で見られた事は1度もなかった。
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