救世主はサイバーポリス〜私を助けて下さい！！〜

エピローグ

須藤の妹、伽音の小説藝賞授賞式に関するYahaaニュースにアンチコメントを書いたユーザー28人のうち5人が動画サイトに楽曲を投稿しているシンガーソングライターだった。
　しかも、アンチコメントを書くためにスマホを複数持ちし、家族のアカウントを使って1人で5人になりすましていた。

　須藤からLINE通話がかかってきて、アンチコメントの犯人が特定したと報告を受けた。

『他のサイトのアンチコメントもその5人が書き込んでたのか？』

『黙秘していたから、そっちの発信者情報開示請求した。そしたらすぐに観念して任意開示し、罪を認めた。

投稿者が開示に同意することはほとんどない。
　そのため裁判所で法的開示訴訟を起こし開示判決を得てからサイト運営者と携帯電話会社から投稿者情報を得ないといけない。
　被害届が受理された刑事告訴の場合は警察がこの手続きを行うためすぐに判決がでる。

『2週間で肩がついた。5人のうち2人がそれなりに有名人で示談の申し出をしてきたが応じなかった。明日が楽しみだ』

　10年の月日が経ち、無法地帯化したSNSの仮想空間での犯罪行為は罰せられる世の中になった。

　それでも、匿名での誹謗中傷は無くならない。

　だけど、親友の妹の命を救う事ができてよかった。