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「大学受験、大丈夫なのか?」 「ーー大丈夫。A判定取らないとお母さんが鈴宮伽音の活動をしたらダメっていうから、死ぬ気で勉強してる……」 自宅から通える範囲にある国立大学の情報学科を志望校にし、中学1年の頃から鉄紅会リモート学習プログラムでハイレベルな事を勉強してきた。  少しでも成績が落ちたらペナルティーで活動停止期間を作られるから、勉強を疎かにはできない。  毎週日曜日の深夜0時にYouTubeに“歌ってみた”もしくはオリジナル曲を配信する。  CG映像に1時間、楽曲作成に1時間、レコーディングに1時間。  学校が休みの土曜日の早朝に作成する。週なかにイメージを作ってるから、3〜5時間で完成する。  曲に因んだストーリーや青春小説などを小説投稿サイトに投稿してるけど、勉強の合間や隙間時間にスマホでささっと執筆して投稿していて、1日の大半は勉強時間で埋め尽くされてた。 「大学生になったら、自由な時間は増えるから、だから、耐えろ!!」 母と遥翔兄と7歳年上の頼翔兄の出身大学の専攻学科に、私も通いたい。  楽曲作りや小説執筆をしたいのを我慢し、ひたすら過去10年分の赤本を解く。   「予備校の志望校別模試4社で全てA判定なら、大丈夫だな。全範囲完璧に仕上げてる。肩の力を下ろしても大丈夫だと思うぞ!!」  頼翔兄も私にそう声をかけてくれた。油断大敵だから気は緩めないけど、母にバレないように創作活動をしてた。
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