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「ん……巧、ここじゃ、だめ……」
「何度もしてるだろう?おまえも結構好きなくせに」
もう随分と浸かっているせいか、わたしを見つめる垂れ目はとろんと甘い。腰に当たっていたはずの手はヒップへ、もう一方の手は相変わらず後頭部へ。彼の唇がわたしの唇に吸いつく生々しい音が、ふたりの間の熱を掻き立てていく。
「顔が真っ赤だぞ。のぼせたか?」
「巧だって……暑くて限界なんでしょ」
「そうだな。麻紀が可愛すぎて限界だ」
彼の首に腕を回し、キスに夢中になっていると、固いものがわたしの敏感な部分に擦れる。お湯はもうぬるくなっているはずなのに、お互いの身体は燃えそうに熱い。
「厭らしいな。自分で擦りつけて」
「そ、んなこと」
「欲しいなら、いつもみたいにできるよな?」
蕩けそうな低音で囁かれ、首筋に噛みつかれる。甲高い声を上げるわたしの髪をぐしゃぐしゃに乱しながら、「できるよな?麻紀はいい子だから」ともう一度。
「でも、脚に力、入らない……」
「いつも俺が支えてやってるだろう?おまえはただ、気持ちよくなっていればいいんだ」
ほら、と中心部を太い指が割っていく。お湯とはまったく性質の違うとろりとした液が、栓を抜いたように溢れ出す。
「すごいな。擦りつけただけで感じたのか?」
「ちが……や、ゆび、挿れないで……」
「これじゃ物足りないよな。でも、おまえのここはもうこんなに解れてる」
わたしの中でばらばらに蠢く彼の指は、弱いところを的確に知っている。
「ほら、早く欲しいって言ってるみたいだ」──最奥の手前の、一番感じるところ。「麻紀はここが好きだよな。二本も余裕で飲み込んだくせに、こんなにきつく締めつけて」──つつかれて撫でられて擦られて、飛んじゃいそうなくらい気持ちよくなるのも、声が出るのも止められない。
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