【番外編1】新婚さん密着24時

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 外で出すから心配するな。胸を揉みしだかれながら低い声で囁かれ、背筋がぞくりと震える。 「たく、み……だめ、隣に、聞こえ、ちゃう……」 「おまえが声を抑えれば大丈夫だ。手加減はしないぞ」  喉の奥から溢れる声、艶を纏った呻き声、アルコールとタバコをかき消すバスソルトの匂い、繋がっているところから突き抜ける快感、苦いのに甘い彼の唇、湯気で曇った鏡に映るふたりの痴態。 ──まるで、五感のすべてが支配されているみたい。 「やだ、巧、ああぁっ、……そんな、に……っ」 「今日、すごいな。そのまま(・・・・)だと尚更分かる」  そんなに悦いのか?腰を鷲掴みにされて激しく揺さぶらされる。必死に頷くとそのスピードがさらに上がり、「とりあえず一回(・・)達っておくか。一緒に」と恐ろしいセリフを投げられた。 「い、いっかい……?」 「これで終わりなわけがないだろう。俺はおまえの顔を見ながらするのが一番好きなんだ」  嘘でしょ、と目の前が霞んでいく。  ご飯を作ったあと、「先に風呂に入りたい」と言われたからそうしたのだ。あんなに空腹だったはずなのに、その感覚を思い出せない。  せっかく作ったご飯を食べないわけにはいかない。だけど、こんな状態で食べられるのかな。作り置きのチリビーンズに、ナンプラーを効かせたエスニックチャーハン……。 「なに考えてるんだ?まさか、俺以外の男のことなんて考えてないだろうな」  おまえの職場は男の比率が高いもんな。突拍子もない言いがかりだ。「違うってば」と否定しようとした唇を塞がれ、壁についた両手をぎゅっと握られる。 「あんなに褒められて、職場では随分重宝されてるみたいだな」 「だって、毎日、必死に……あっ」 「それなのに、俺の前ではこんなかわいい顔して、エロい声出して乱れて……恥ずかしいな?」 「そんなこと、いわない、で……あ、だめ、やあぁっ……」 「こら、我慢しなきゃだめだろう。隣に聞こえてもいいのか?」  そういう巧だって、結構な大きさの声で呻いてるじゃない。ていうか、誰のせいでこんなことになってると思ってんのよ。  言いたいことはたくさんある。だけど、いまにも膝から崩れ落ちてしまいそうで言葉にする余裕がない。  もうだめだ、と掠れた声に、彼を受け入れているそこが激しく収縮する。声を噛み殺すことを忘れて意識が飛びそうになったとき──逞しい腕がわたしを支え、太腿に生温かい感触をおぼえた。
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