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「うええぇ! ぐえええぇっ!!!」
男は必死に抵抗をするが、身体も舌も紳士達に押さえつけられ、どうすることもできない。舌を引っ張った状態で押さえつけられているせいで、命乞いすらできない。
(やめてくれ! もう騙したりしないから! 騙し取った金は全部返すから!)
いくら心の中で叫んでも紳士達には届かず、金槌が振り下ろされた。
「あがあぁっ!!!」
釘は男の舌を貫通し、テーブルに突き刺さった。血が滲み、男は自分の血を強制的に味わうハメになる。
紳士達は男を離した。男は釘を抜こうとしたが、いつの間にか後ろ手で縛られて身動きが取れない。男にできることといえば、少しでも痛みを緩和させるために、涎をだらだら垂らしながら顔を釘に近づけることくらいだ。
「もちろん、これだけで終わりませんよ」
黒仮面の言葉に、男は絶望した。白仮面の紳士達は、男の舌に真っ赤になるまで熱した釘を押し付けたり、針を刺したり、カミソリで切れ目を入れたりした。その度に男は白目を剥き、くぐもった悲鳴を上げる。
(もうやめてくれ! 俺はこんなことをされるほどのことをしたか!? いくらなんでもやりすぎだ!)
男がボロボロと涙を零しながら紳士達を見上げると、彼らは顔を見合わせて小首を傾げた。そんな彼らを見て、正気に戻ってくれたのではないかと、淡い期待をしてしまう。
「そろそろいいのではないですか?」
「えぇ、そうですね」
白仮面の言葉に頷く黒仮面の紳士に、男は安堵する。ようやくこの地獄が終わるのだと。
「では、仕上げといきますか」
(え……?)
黒仮面の言葉に、男は再び絶望に落とされる。舌はもうボロボロだ。火傷や切り傷だらけで、元の色が分からないほどに。これ以上、何をするというのだろう?
黒仮面の紳士が釘を抜くと、白仮面の紳士達が男をテーブルの上で仰向けにして寝かせた。彼らは直径1cm、長さ30cmほどありそうな太く長い針を手に持つと、男ににじり寄る。男は恐怖のあまり思考がショートした。
黒の紳士は男の口を開けさせると、喉奥にゆっくり丁寧に、ぶっすりと太い針を刺していった。
「あがああぁっ!」
くぐもった男の悲鳴が、虚無の空間に響き渡る。黒仮面の紳士が1歩下がると、白仮面達は急所スレスレの場所に針を刺していく。その度に男のくぐもった悲鳴が静寂を破る。
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