9月8日(下澤裕貴)

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 大和田の家に着いた。ミニバンが1台停まっている。窓にはカーテンが掛かっていて中が見えないが車がある以上、家にいるだろう。 「これでいいんだよな?」  裕貴1人では魔法を使える麻弥に届かない。ならばどうするのかと考えた裕貴が大和田定信のところへ行くと沙弥は予想をしているはず……。 「家のなかに侵入するってのは違うよな……? そもそも大和田定信が犯人だというのも沙弥さんの勘でしかないわけだし……」  ただ、ここから先は何をすれば良いか考えが追いついていない。  ドラマなんかだとこういうとき家に忍び込んで犯人である証拠を探すのだろう。だけどそれは現実ではやってはいけないこと。フィクションだから許される行為だ。  リアルとフィクションの差はおいておいても、沙弥が望んでいるのはもっと別のこと。第一それで解決するなら沙弥自身が行なっているはず……。人任せにするよりその方が確実だから。 「ここで何をすればいい? 何をすれば麻弥さんを救える?」  一応、沙弥に電話はしてみるが留守電に繋がってしまう。何もできないまま時間だけが消費されていった。     
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