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「僕も、麻弥さんと話してみたかった……」
麻弥の気持ちを聞いて裕貴の心が乱される。もっと早く自分の気持ちに向き合っていれば……と。今になってようやく言えたのにもう麻弥はいない。
「その言葉を聞けて良かった! ヤッパリ下澤くんしかいない! お願い麻弥を助けて上げて!」
沙弥の願いはあまりにもおかしなものだ。既に亡くなった人を助けるなどできるはずがない。
「天川さん! 落ちついて。麻弥さんが亡くなって辛いのは分かる……」
きっと沙弥は赤ちゃんのころから片時も離れず、育ってきたもう1人の自分のような麻弥が突然亡くなり、悲しみを受け止めきれていない。裕貴はそう思った。
「けど、亡くなった人を助けることは誰にもできないんだ」
裕貴は沙弥の感情を刺激しないように細心の注意を払いながら伝えた。しかし、裕貴の考えとは裏腹に沙弥は冷静だった。
裕貴の心遣いをちゃんと理解したうえで裕貴の言葉に応える。
「確かに亡くなった人を生き返らせるのは誰にも出来ないと思う。でも、生きている人間なら助けられる可能性は十分にある」
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