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5月3日(天川姉妹)
穏やかな日々が続いている。雲がゆっくり流れ、暖かな日差しに抱かれて大きな欠伸をした。沙弥はスマホを手に取る。通販サイトから特売のメールが入っているだけで、凶悪な事件も悲惨な事件の速報も入ってきていない。無論、土砂崩れが発生したという速報も入ってきていない。
時間がたち冷めたコーヒーを啜って穏やかな空気に身を委ねた。
静かだ……。雀の鳴き声だけが聞こえてくる。
「そろそろ帰ってくるころか……」
裕貴のキャンプは2泊3日。今日終わるはずだ。特に深い意味はなく、呟いたのだが、タイミングよくスマホがなった。
予言してしまうとは麻弥のお株を奪ってしまったようだ。微笑を浮かべてメッセージを開く。
「…………おーー! これは面白くなりそう! 麻弥に伝えないと」
沙弥が向かうのは隣の部屋。物音1つ聞こえないが、外出するとは聞いていないのでいるはずだ。
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