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チャーハンの肴は麻弥の惚気だ。内容は友人通しが話すような内容で、男女が惚気られるようなものではない。
でも、麻弥は幸せそうだ。話しを出来ているだけで嬉しいようだ。
「あとは学校生活の話しをした! 下澤くんは記者になりたい友達がいるんだって! タコ焼きが好きだそうで、よく一緒に食べに行くそうだよ!」
チャーハンを食べるのも忘れて喋り続ける。恋のパワーとは凄い。
「そういえば……麻弥のクラス。問題児がいるみたいだね」
麻弥の目が鋭く光った。気持ちよく話していたところを邪魔した上に、ゴミのような人物を思い出させる話題でご立腹だ。
「いるけど、私には関係ない。あの2人が退学になろーと逮捕されよーと私の高校生活に影響なく卒業出来るから」
話すのも面倒くさいらしい。ダルそうな表情で麻弥は冷えきったチャーハンを食べる。
けど、沙弥はその発言に驚き立ち上がった。勢いよく椅子が倒れる。麻弥は驚き噎せ返って、慌てコップの中の水を飲み干す。
「なに!? どうしたの? いきなり」
「麻弥! 卒業できるの!?」
「沙弥。明日の朝食、覚えておきなさい!」
麻弥が鬼のような顔で睨んでいるが、そんなことはどうでも良い。麻弥が卒業出来る未来を予知したことに意味がある。少なくとも麻弥の死の未来が回避出来る可能性があるということ。
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