6月24日(天川沙弥)

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 まだ着替えを終えておらず、公衆の面前に出られない人がいる。沙弥たちより後に入ってきた人は特に、だ。 “ほら、立派なカメラが付いてるんだろ、そのスマホ!”  窓がノックされた。カーテンには夏の日差しが作り出した人影がうつっている。 「さ、沙弥……。早く行こ? 絡まれると厄介だよ」  佳子に腕を引っ張られる。着替えはもう済んでいるから、このまま出ても問題はない。  でも…………。  佳子の腕を引き離した。 「とりあえず、ダメ元で先生呼んできてくれる?」  前回のテスト結果は出た。沙弥の成績が奴らより良ければ教師も重い腰をあげるだろう。 「沙弥。危ないから止めときなって」 「大丈夫大丈夫」  遠野と菊池は何とかなる。 「もう。麻弥……こんな面倒事あるなら先に言っといてよ」  佳子を残し、沙弥は更衣室を出た。そのまま屋外へ向かう。
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