6月24日(天川沙弥)

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 菊池と遠野のケンカは教師が仲裁した。このまま生徒指導室に直行するだろう。  教師の1人が沙弥のところへくる。 「えっと、天川…………さん。君にも話しを聞かせてもらうよ」  教師も見分けがつかない。それはともかくもっと先にやらねばならないことがあるのではないだろうか?   「それは良いですけど、あの人を先に保健室へ連れて行かないと」    地面に倒れたままの大和田に視線を送ると、教師もそれに同調した。 「ああ。そうだな」  教師は大和田の横に行く。大和田の巨漢に苦戦するもどうにか肩に担ぎ起こす。 「天川も一緒にきてくれ」 「ハイ!」  沙弥が快活に返事をしたのはもう間もなく授業が始まるからだ。沙弥は小走りで佳子のところへ行く。 「ごめんねぇ、佳子。そういうことだから私の分までアツーイ中を走ってきて、ね!」 「ちょっと! ズルくない!」    コレは棚ぼただと沙弥は佳子にVサインをした。
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