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Kが家に帰ると、母親がリビングで、祭りで買ってきたのであろう焼きそばを食べていた。
「あら、お帰り」
「ただいま」
「ねえあんた、今日誰と一緒にいたの?」
その声色には、ちょっといぶかるような雰囲気があった。
「なんで?」
「だって私が神社であんたを見たとき、一人っきりで歩いてたんだもん。それも、一人で楽しそうに笑ったりして」
まるで変人のことを話すかのような口ぶり。
「何言ってるんだよ。俺はずっと、Yと一緒に回ってたって」
それを聞いた瞬間、母親が手に持っていた割り箸を床に落とした。手をわなわなと震わせ、青い顔でKをじっと見つめる。どう見ても尋常な反応ではない。
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