彼女配信・スタート

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彼女配信・スタート

 突然だが、今日から彼女の配信を始めようと思う。理由は単純なことで、僕の彼女があまりにも可愛過ぎるからだ。布団から起き上がって伸びをする姿からして可愛いし、『ねむー』という眠たげな声も可愛い。 『いただきます』  遊んだりしているときは相当無邪気で、周りのことなんて目に入らないくらい夢中になるくせに、ご飯の前後には必ず両手を合わせる行儀のよさも、これまた可愛い。  黙々とトーストを(かじ)り、ネットニュースに釘付けになっている姿ももちろん可愛いが、それだと仕事に遅れてしまわないか? ハラハラしながら見守っていると、『あ、やばい!』と気付いて慌てて準備を進める彼女。  かなり急いでいるのがわかるのだが、いかんせん彼女は身体が小さい。たぶん女子小学生でももっと大きな子がたくさんいるだろうというほど小柄な彼女がちょこまかと動いている姿は、さながらリスなどの小動物を彷彿とさせて、思わず僕は頬を緩めてしまった。  いってらっしゃい、という僕の言葉にも答える暇などないくらいに、彼女は急いで家を出ていった。遊んだりしているときはふにゃふにゃと人懐っこくて、もうとっくに成人しているのだということを忘れてしまうようなところのある()だけど、こうやって仕事にはちゃんと行っているし、どうやらそれなりに頼られたりしつつ頑張っているらしいので、家にいるときくらいはむしろふにゃふにゃでいてほしい。そんな彼女を、僕はただニヤニヤして見守っていたいんだ。  ……ということで、彼女がもう仕事に行ってしまった。  だから、これ以上部屋を映していてもたぶん面白くはならないだろうから、今回はここで終わりにしよう。  帰ってくるときまでに、ご飯でも作っておきたいようだね。もし帰って来て夕食ができてたらきっと驚くだろうな、今から想像してニヤけてしまう。  ねぇ、次の配信は、そんな夕食の様子でも流してみてもいいかな?
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