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 僕は有名な女性声優と結婚した一般男性。  ニュースにもなり、ファンからは悲しみの声がネット中に広がった。  でも、そんなものは一瞬ですぐに収まった。  それよりもファンには悪いが、女性声優という顔が本物の顔ではない。  これは女性声優の旦那である僕だから分かる話。  とある日。 「ただいまぁ~」 「おかえり」  遅くまで仕事をしてきた妻が帰って来た。  基本、僕の方が仕事が終わるのが早いので、料理を作り好きなアニメを見ている。 「あ、それ私が出てない奴じゃん!」 「いや、原作から好きだからいいだろ?」 「むぅ~。てか、ご飯!」 「はいはい」  一度、アニメを止めてキッチンへ行き、作っておいた料理をテーブルに持って行く。 「いただきます」 「はい」 「美味しい!」 「それは良かった」  毎日、食べているというのに、毎日のように褒めてくれる。  有り難いものだ。 「で、さっきのアニメの話だけど」 「え、何?」 「声優仲間がエロいとか」 「いや、アニメにエロ要素があるのは普通だろ?」 「それは知ってるけど、他の声優のエロい声で興奮されるのは断固として許せない!」 「おいおい、僕にアニメを見るなと?」  始まった。  アニメの話。  妻は自分の出ている作品を見て欲しいらしく、加えて出ていない作品は見ないでほしいらしい。 「そんなことは言ってないじゃん!」 「けど、今期のアニメ全然出てないし!」 「うっ!」 「もっと僕に見てもらえるように、オーディションを頑張りたまえ!」 「ふんっ! オーディションもなかなか大変なのよ!」  そう言い、少し膨れて口いっぱいにご飯を入れるのであった。
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