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こんなものもらうのも、今日が四月一日だからだよ……
八つ当たりのように、手紙をゴミ箱へと落とす。コトンと音を立ててゴミ箱の底へと到着した手紙。
「小春、どうした?」
心配そうに私の顔をのぞきこむ恵。いつも私のことを気にかけてくれる。その優しさに胸がキュンと高鳴る。そして、同時に切なくなる。
だって、恵は、私のことを世話の焼ける妹ぐらいにしか思っていない。でも、それでもいい。幼馴染としてでも、恵のそばにいられるのなら……
「ううん、なんでもない」
私はどうしようもないジレンマをひた隠しにして、笑顔で答えた。
やっぱり……一日だけ恵より年上になる、この日が嫌い。
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