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「私、今から理香子ちゃんのところにいくけど、三人で毎年恒例のお祝いやるんでしょ?」
「うん」
「そ。じゃあ、ごゆっくりね」
お母さんは手をヒラヒラさせてリビングを去り、「三人とも誕生日おめでとー!」と玄関先から大きな声でいい残して家から出ていった。
「娘の誕生日なのに適当だよねぇ」
「つか、俺らもついで扱いだし」
「ホントいい加減なんだから。私と慎の誕生日は今日だけど、恵は明日なのに」
「まあ、でも、毎年のことだろ。それに俺らだって、今日まとめて三人分のお祝いするんだし」
いい加減な母に文句をたれる私と慎だけど、恵は落ち着いた物腰で、テーブルの用意をし始めた。
私達の誕生日は、ちょっとひとくせある。四月一日生まれの私。同じ年の四月二日生まれの恵。そして、その次の年の四月一日生まれの慎。
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