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身体を横にくの字にして苦しむディディスの耳を引っ張ると、お師匠様から奴を離しました。
ディディスは横腹の痛み、そして容赦なく引っ張っている耳の痛みで、もうすでに涙目になっています。
「いででででっ‼︎ シオン、やめろよー! お前の大好きなお師匠様に馴れ馴れしくした事、謝るからさー!」
「どさくさ紛れでお師匠様に触れやがって……。お師匠様、今すぐ魔素浄化をご自身のお身体に!」
「おいっ‼︎ 俺を魔素扱いするなよー! リベラ様が誤解すんだろー‼︎」
もう手遅れだ、ディディス。お師匠様がお前に向ける、あの引いた目を見ろ。
しかしあの方は、俺たちのやり取りを見て吹き出しました。笑いは次第に大きくなり、その場でお腹を抱えるほどになりました。
明るく響く笑い声に、俺はディディスの耳から手を離しました。痛みから解放された奴が耳と脇腹を抑えていますが、そんな事はどうでもいいです。
「いやー、2人とも仲がいいのね。あのシオンに友達が出来るなんて、嬉しいわ」
笑いで目に浮かんだ涙を拭きながら、お師匠様が恐ろしい事を仰ってます。
どこをどう見たら、そういう感想を抱くのでしょうか? こいつと仲がいいと思われたポイントを、教えて頂きたいです。
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