第19話 お師匠様は戦った

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 しかし、私に魔力切れはあり得ない。  たった一言、世界への愛を言葉にするだけで、私の中に無限に魔力が生み出され満たされるのだ。  『魔法の効果=魔力の量』というこの世界で、決して魔力切れを起こす事のないこの能力こそが、私を両翼足らしめている理由だ……と思う、多分ね。  そしてもう一つ。魔力が高まると、私の身体に変化が現れる。  背中が熱を帯び、留まり切れなかった魔力が形を作った。  白金色に輝く、翼の形に。  これは両翼の勇者候補の特徴の一つなの。  あ、触ることは出来ないし飛ぶことも出来ないから、実用的では全くないんだけどね。よく見たら、翼の向こうが透けて見えるはず。  あとね、この翼には色がついていて、その色によって力の強さがランク分けされてる。  翼の色は現時点で分かっているだけで3種類――銀・金・白金だ。  ちなみに私の色は、白金。  今分かっている中で、一番力が強い色なんだって。  ……って言ってもセリス母さんの言いつけで、一般的には銀翼ってことにしてて、シオンと母さんしか知らないんだけどね。
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