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『太陽』の準備が整ったと感じた瞬間、私は法具を発動させた。
『太陽』は、高速回転をしながら様々なところに黄金の刃を飛ばしていく。でもすぐに軌道を修正すると、刃が一斉に魔素鳥に降り注いだ。
まるで光が走るかのような錯覚を覚える速さに、魔素鳥も反応できず、その巨体は見る見るうちに串刺しにされ、針の山を作っていく。
魔素鳥が叫び声をあげ逃げようと翼を広げたが、『太陽』の休みない攻撃が、敵を逃さない。翼は貫かれ、その巨体が宙を舞う事はなく、辺り一面に穢れた羽毛が飛び散った。
……あれ浄化したら、羽毛布団として使えないかな?
そんな事を考えている間に、魔素鳥はハリネズミのように黄金の刃を身体中に纏うと、地面に倒れた。
命が尽きたのか、その身体から黒い煙が立ち上り、魔素鳥の身体が崩れチリとなって消滅しちゃった。もちろん羽毛も。残念。
はい、終了。身体も力の調子も、問題なしでーす。
戦闘が終わってホッとした瞬間、背中の翼と『太陽』が消えた。
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