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周囲を確認すると、シオンの力によって最小限の破壊で済んでいるみたい。
魔素鳥がいた周辺に大きな穴が開いているけれど……、ま、生ごみを捨てる穴が出来たと考えればいいよね、うん。
セリス母さんにする穴の言い訳を考えていると、
「先ほどは大変失礼いたしました。両翼の聖女リベラ・ラシェーエンド様。銀翼だとされていたあなた様が……、まさか白金翼だったとは……驚きでした」
私の後ろから聞こえた、シオンではない青年の声。
…………
…………
…………
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しっ、しまった――――っ‼
シオンだけじゃなかったっ‼ この人いたの、忘れてた――――っ‼
額に変な汗をかきながら後ろを振り返ると、ディディスが片膝をついて深々と頭を下げ、いつの間にか飛んで行っていたタオルを差し出していた。
その時、私は気づいたの。
ディディスの左手の甲に、片翼の痣がある事に。
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