第20話 弟子は援護した

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 しかし、このまま美しさに目を奪われている場合ではありません。  お師匠様の法具が、攻撃の準備を完了しようとしています。確か、円の周りを囲む無数の刃が、敵を容赦なく切り刻む攻撃だったはずです。  お師匠様は気づいておられませんが、あの刃一本一本を動かすのも大変な労力なのです。  刃には全てお師匠様の魔力が通っている為、刃を発生させるだけでも膨大な魔力を必要とします。  さらに、自分が意図した場所に飛ばすのも、きちんとコントロールしなければ、様々な場所に飛び散って大きな被害をもたらすでしょう。  それら全てを、お師匠様はまるで身体の一部を動かすかのように使っているのです。  幼い頃からの修行と、お師匠様が持つ勇者候補として能力、魔力生成の力が成せる業。まさにお師匠様のみが操れる法具です。  この法具はお師匠様の望みに応じて、大きさや出現する数を変えたりと、自由自在なのです。  一体どのような仕組みになっているのか、俺も分かりませんが、両翼ともなればそんな片翼の勇者候補が使えない技も、使えるという事なのでしょうか?
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