第1話 お師匠様は考えた

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第1話 お師匠様は考えた

 私は今、とっても困惑している。  まあそうだよね。だって、何か私よりも年上らしき男性が、私の上に覆いかぶさってごそごそしているんだから、誰だって困惑すると思う。  というか、困惑してる場合じゃないのは重々承知で……。  でもここで私がパニックにならないのは、やはり長年の戦いによって培われた冷静なはんだ……ぬあ、キスされた。ちょいやめれ。  で、どこまで考えたんだっけな。うんそうそう、私の長年の戦いによって培われた冷静な判だん……ぬあ、胸触られた。やめんか、おい。  えっと……なんだっけな? もうええわ。何が言いたいかというと、私は何か自分の常識から外れた事が起こると、こうやって考えこんでしまう癖があるということ。  だから今、触れられてぞわぞわするのを我慢しながら、思考の中で会話することで現状を確認しているわけ。  え? そんな状況じゃないだろって?  まあ、そうだねぇ。だってシャツが半分脱がされかけてるし。私にだって、下が脱がされる前に、状況判断を終えたいくらいの貞操観念はあるつもり。  とりあえず、何か先ほど受けた説明の断片を思い出すとしよう。
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