第一章
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目が覚めると、部屋の時計の針は夜の11時を指していた。 丁度良い時間帯だ。オレは鼻歌を歌いながら洗面所で顔を洗い、前髪をくくる。 身バレを防ぐ為に髪も巻き、鏡に映る変身した自分を見つめた。 (………ま、この顔は嫌いじゃないよ) と心の中で自分に囁き、鞄も財布も持たずにオレは家を出た。
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