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「……私、何か悪いこと、したかしら?」
「何言ってるの、りんね。みんなの目を見てみなよ。話題の美少女が同じクラスになって、盛り上がっているんじゃない」
絵里が手を伏せながら、こっそり声をかけてくれた。
どうも実感がない…でももしそう思ってくれているなら、最大限武器にしてもいいかな? と思った。
「みんな、おはよう~」
思い切りの笑顔で、元気に手を振ってみせた。
「あ、お、おはよう!」
男子全員から意気揚々と声が帰ってきた。
「ほらほら~、言ったじゃない。さっそく人気者よ」
席に着く前、通りの通路で、ちょっと男子達に流し目をしてみた。
顔を真っ赤に染めて、外を眺め出し恥ずかしがる男子生徒達。今まで気づかなかった、これはかなりいい事を知ってしまった。
ふと、窓際の後の席に目をやると、読書に専念する一人の少年?小柄で、透き通るようなブラウンの髪。ハーフなのかな?
本好きの子がクラスにいるのは、少し安心した。
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